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NHN PlayArtのMMORPG「ECHO OF SOUL」(以下,EOS)は,正式サービスが開始されて1か月半が経過した。最近では本格的MMORPGのリリースが減ってきているので本作に注目していた人もいることだろう。おりしも秋の連休が目前のこの時期,シルバーウィークに向けてちょっとがっつりとMMORPGをやってみるにはよいタイミングである。
本作が持つ攻略性の高いインスタンスダンジョンやレベル補正のあるPvPはかなり評価が高いようだ。課題として多く指摘されているのはLv60での回復アイテムの入手に金策が必要になることなどだが,そこさえ解決されればかなり面白い位置付けのMMORPGになりそうな一作ではあるのだ。システム関係は運営に頑張ってもらうしかないのだが,ようやく解決のめどもついたようで,俄然注目度が高まってきた(※現時点では実装されていません)。ここではEOSの初歩的な情報をTips形式でまとめておきたい。
ちょっと興味があるのでこれから始めてみたいという人はもちろん,すでにプレイを進めている人でもゲーム内で疑問点が残っている人もざっと眺めてみてほしい。
●クエストでどっちに行けばいい?
EOSは,プレイヤーに優しい機能を満載したMMORPGという触れ込みで紹介されていたのだが,正直言って,世の中にはもっともっと簡単操作なMMORPGがあふれている。クエストログなど見なくても,ぱちぽちとクリックしているだけで自動移動や自動戦闘で進んでしまうものもある。そういったものに慣れすぎていると,「クエスト名を押しても移動しない!」と途方に暮れる人もいるかもしれない。
自動移動はないのだが,大きなマップを開けば目的の場所が表示されるほか,どちらに進めばよいかはクエストリストに付いたコンパスが教えてくれるので(正面なら真上になる),それを頼りにすればよい。コンパスが出ないクエストは,場所を問わないクエストだ。手紙を読むなど,指定されたアイテムにアクセスすることで達成できる。
UIの大きさは変更可能だが,縮小すると文字もつぶれるのでマップ画面を常時出しておくのは難しい。4K画面ならこんな感じで文字はつぶれないのだが,テキストが小さすぎてプレイしにくいというのは変わらなかった
●立ち止まっての戦闘はダメ?
EOSはオーソドックスなMMORPGなので,普通のMMORPGスタイルでプレイしていてもさほど困難なくゲームを進行できる。ただ,そういったプレイスタイルだとクリアが難しくなるのが,ダンジョンでの戦闘だ。とくにボスとの戦闘は攻撃スキルの範囲から的確に離脱し,スキルを遮断することが求められる。地面に赤いマーキングが広がったら即座に移動しよう。
ということで動き回って回避を積極的に行うことが推奨されるが,一般フィールドでは動き回っているとMobがリンクしがちなので,立ち回りの練習はソロダンジョンで行うとよいだろう。
モンスターの攻撃範囲は赤く表示される。特殊な動きをしているときは遮断や避けることも重要だ
●パーティクエストはソロでクリア可能か
序盤を進めているとちょっと身構えてしまうのがパーティクエストではないだろうか。実際にやってみると,ポーションなどが必要になることはあるものの,ソロでもクリアは可能だ。
ただ,クラスや装備によってはかなり苦しい戦いになることも多いので,近くに順番待ちの人がいたら積極的にパーティを組んでみるのがいいだろう。
序盤では割としんどいマクソンさん。ソウルスキルなども活用しよう
●アイテムを使用するクエスト
クエスト対象Mobを狩っていても一向に終わらない……といったケースは,ほぼ間違いなくアイテムを利用する必要があるクエストだ。画面右にあるクエスト一覧で,左側にアイテムのアイコンがついているのがそれで,そのアイテムを使用する必要がある。
対象Mob(たいていは倒しておく必要がある)をターゲットして,クエスト一覧のところにあるアイテムアイコンを右クリックしよう。いちいちインベントリを開いてアイテムを発動させる必要はない。
これは「殺してはいけない」クエストの例。アイテムで捕獲しよう
●遮断スキルとは
遮断スキルは,どのクラスにも用意されているスキルで,威力は小さいものの相手のスキルを妨害できるという特性を持つ。さらに走りながらでもほぼ立ち止まらず瞬間的に出すことができ,相手のスキル使用を5秒間阻害する。10秒に1回使用できるので,使いどころを考えて的確に使えるようにしたい。
ボス系の相手と戦う際には必須となってくるので,回避と合わせてスキルに対処できるように準備しておこう。
スキルが致命傷になるボス戦では遮断スキルを促すメッセージが出る
●カバンが足りない
多くのプレイヤーが序盤で直面するのが,インベントリがあふれる,つまりカバンが足りないという問題だ。
後述のように,製作用素材を売り払うことでインベントリスロットは余裕を持って運用できるはずだが,ゲーム内のシステムとイベントで,10スロットの大型カバンがLv10,Lv20,Lv35,Lv60のタイミングで配布されるので覚えておこう。雑貨商店で売られている小型のカバンは効率がよくないので,あまりお勧めはしない。
雑貨商店で売られている中型カバン。カバンの増設数にも限りがあるので,半端なサイズのものは避けたほうがいいだろう。高いし
●出張倉庫って?
倉庫は,大きめの街に設置されたNPCに荷物を預けることができるシステムだ。その倉庫をどこでも使えるようにしてくれるのが出張倉庫ということになる。レベルアップのタイミングで配布されるアイテムを使えば試用できるわけだが,街中で使うとなにが起きたのかよく分からない場合がある。使用すると,男性NPCが一人現れるのだが,とくに倉庫関係者という肩書きが付いているわけでもなく,NPCが多い場所で使うとなにも起きていないように勘違いしてしまいがちなのだ。
とりあえず,そのNPCにアクセスすると倉庫が使えるようになるのだが,最初は人気のない場所で試すほうが間違いがなくてよいと思われる。
実際には後ろ向きに出現する出張倉庫の人。倉庫管理人という名前だが,頭の上に文字は出てこない
●荷物があふれた! 近くに商人がいない
それでも冒険中に荷物があふれてしまうのはよくあること。そんなときはダンジョンメニューを開いて,スマートマッチングで適当なダンジョンに入ろう。これはその場でダンジョンに転送してくれる便利機能だ。ダンジョンの入り口には必ず雑貨商人がいるので,そこで荷物を整理すればよい。作業終了後はそのままダンジョンを出ると元の場所に戻してくれる。ダンジョン内以外では有効に使える手なので覚えておこう。
スマートマッチングでダンジョンに移動する。ダンジョン入り口には必ず雑貨商人がいる
●特性の選択
レベル10になると,クラスの「特性」を選択できる。クラスの方向性を特化していく,本作の特徴的な機能の一つである。
ちなみに私が最初に作ったキャラはアーチャーで,特性は「旋律」を選んだのだが,これは失敗だったと思う。火力はほぼ共通スキルのままで,数%だが短時間のバフ強化ができるだけだ。速足ソングを歌っているのに,同じ乗り物で並走する人を抜けない……。カンストレベルになると必須クラスになるらしいのだが,そこまではかなり辛い特性だ。 それはともかく,レベル20以上になると「多重特性」を獲得して(ゲーム内メールで届く),任意の特性に切り替えることができるようになる。正確には,スキルの特性ページを一つ追加できる。なので,すでに取っている特性とは違うものを選べば,どちらにも切り替えができるようになる。一般的ではないだろうが,あえて同じ特性を再度選んで,PvP用とPvE用で別のスキルセットを選択するような使い方もできる。
ということで,あとで切り替えできるようになるのだから,序盤はパーティ向きのものよりもソロ向きの特性(火力重視)をお勧めしておきたい。
●ソウルはどう使うのか
タイトルにも含まれることから分かるように,本作では「ソウル」という概念が特色となっている。ソウルの素材ともいえる「混沌のソウルの欠片」はモンスターを倒すと手に入り,浄化をすることで使えるようになる。浄化には,自己浄化と相互浄化の2種類があるが,相互浄化だと効率は2倍なので,街中で人を見つけたら相互浄化を依頼しよう。
スキル浄化は相互浄化が基本
さて,ソウルには以下の4種類があり,「ソウルスキル」の特性が異なる。
希望 希望の光:30秒間,クリティカルと貫通力&攻撃速度と発動速度アップ
純粋 純粋の心:15秒間,防御力アップ
勇気 勇気の炎:30秒間,攻撃力&攻撃速度と発動速度アップ
安息 安息の風:15秒間,生命力アップ&行動制限解除
以上のように自己バフスキルを発動できる。なお,ソウルスキルの発動では,それぞれのソウルの欠片が2個消費される。
「15秒や30秒しか続かないし,クールタイム120秒じゃ使い道が限られるなあ」と感じる人も多いだろうが,パワーアップはされるので積極的に使っていくことで難局を越えることも可能になるのだ。
さらに,これらは使えば使うほど経験値が溜まり,レベルアップしていく。一般スキルと連動してさらに効果を発揮することもあるので,地道に鍛えるようにしておきたい。
●製作はどうすればいいのか?
EOSでは,戦闘時の職業以外に生産関係の職を持つことができる。とりあえずNPCに話しかけて職をGetしたり,製作クエストを受けてしまったりしたものの,具体的にどうやって製作を行うのかが分からないという人もいると思う。私もそうだった。
まず行うべきことは,職業NPCからレシピを購入することである。といっても,売られているのは「~のレシピ」といった分かりやすい名前ではなく,完成品名である「~」の部分だけで表示されているのでレシピだと分かりにくいのだ。
レシピが手に入れば素材も判明するので,スキルの「専門技術」のところから製作を行えばいい。
初級技術を習得すると,下のほうに新たに習得できるものが現れた(右)
●製作は必要なのか
製作の方法が分かったところでナンだが,製作というのはこのゲームで必要なものなのだろうか? 本作に詳しそうなN社のS氏(仮名)に聞いてみたところ「多くの人に必ず必要となるのは料理です。料理は自分で使う為にも制作して損はない。それ以外では上級破壊防止剤などの、高ステータスを目指す為に便利なアイテムの制作などが可能です」だそうで,カンストレベル帯以外ではあまりメリットがないらしい。序盤はカバンの余裕もないので,製作素材はすべて店売りでかまわないようだ。
●1シルバー経済について
ゲーム内ではほとんどのアイテムが1シルバーで販売されている。ドロップ品を店売りする場合も1シルバーで,売ったものを再度買い戻す場合も1シルバーだ。
回復薬など,最下級のものも下級も中級も1シルバー。つまり,下級ポーションが使えるようになったら,手持ちの最下級ポーションはすべて売り払って下級ポーションに買い直すようにするだけで,ずいぶんお得になる。さらに,ポーションには効果時間の長い「G」の付いたもの(青いラベル付き)も同じ値段で売られているので,赤い普通のポーションはまったく必要ない。
装備品の買取も1シルバーにしかならないので,ある程度のレベルの装備が手に入るようになったら競売を利用するのがよいだろう。
なお,この1シルバー販売のアイテムのうち,回復系のものはLv59までしか使用できない。Lv60になると途端に回復アイテムが高価になるので,それまでにしっかりと金策を確立しておこう。
また,Lv60以降はダンジョンに通うことでゴールドに余裕が出てくるが,攻略に失敗すると回復アイテムが高価で入手が難しくなる。これが冒頭でも指摘した回復アイテムのために金策が必要となってくる課題となる部分だが,この点は次回アップデートで改善予定とのことなので今後の対応に期待しよう。
ほとんどの店売りアイテムは1シルバーで売り買いされる。中古も新品も全部1シルバーだ
●回復はどうすればいいのか
本作にヒーラーがいないことはよく知られているが,回復はどうすればいいのだろうか。
プレイしている人ならすぐに分かるだろうが,回復にはアイテムを利用する。本作には3種類の回復アイテムがある。ポーション,包帯,ヒールスクロールの3種だ。
ポーションは,小回復を時間をかけて繰り返すもので,戦闘中でも瞬時に利用可能だ。クールタイムがあるので連打はできない。
包帯は,非戦闘時に使うもので,使用中は一定時間動けないものの(動くと回復も止まる),回復量は大きい。
被ダメージが大きなクラスは包帯も活用しよう
ヒールスクロールは,通常のショートカットに登録する事で自身にも使用できるが,唯一パーティメンバーの回復を行うことができるアイテムで,画面右下にある専用のスロットに入れて使用する(起動はYキー)。瞬時に一定量の体力を回復できる。使用時には対象を指定しなければならないので,タンク役など,ヒール先がだいたい決まっている場合はあらかじめ登録しておこう。パーティメンバーのHPバーの隣に赤い十字ボタンがあるので,そこで直接指定もできる。
パーティ時に使用するヒールスクロールはここに登録
もしかして「全部1シルバーならヒールスクロールだけで全部まかなえるのでは?」と考える極端な人もいるかもしれない。ポーションとヒールスクロールは別タイマーで管理されており併用が可能なので,ダンジョンやボス戦などではこれらをうまく使い分けたい。
なお,包帯をポーションなどで代用すればインベントリを1スロット空けることができるのだが,すでに述べたように製作用素材を売り払えばスロット不足に悩まされることはほぼなくなるので,効率を上げるために3種類を使い分けるようにしたい。
●火力を上げるには
下級のルビーが手に入るかどうかは運次第
同じフィールドでプレイしていても,圧倒的に高火力のプレイヤーを見かけることもあるだろう。これは武器に取り付けた宝石(ルビー)のランクが大きく影響している。宝石のランクを上げるには,2個の同ランクの宝石が必要になる。高ランクになれば,一つ上げるだけでも膨大な宝石が必要になってくる。
宝石を得るには,PvPを行うのが近道となっている。宝石自体が手に入るということはもちろんだが,PvPでは下級宝石が手に入るのだが,いきなり+5の宝石を入手することもできるので,強化の過程をかなり短縮できるのだ。
●PvPはしたほうがよいのか
EOSでは,上記のような宝石はもちろん,PvPでもアイテムや経験値を入手できるので,キャラ育成での選択肢が広がっている。PvPをしなくても問題はないのだが,メリットは大きく,とくにデメリットもないので,気軽に参加するようにしたい。
PvPはスマートマッチングで手軽に参加できる
●買い物と装備の切り替えが面倒
雑貨商店などで宝石の付け外しなどを行っていると,宝石抽出の書を使おうとして間違えて売ってしまったりすることはないだろうか。いちいちメニューを開き直すのが面倒なときは,商店でキャラクターウィンドウ(Pキー)で装備画面を呼び出して切り替えて使うとよい。装備したいときは一度装備画面をクリックして操作,売買したいときは商店ウィンドウをクリックして操作すれば開け閉めなしで使い分けができる。
●どういうPCでプレイできるのか
最後に,「GeForce 6600以上」とされるグラフィックスの必須環境についてだ。
デスクトップ用GeForceシリーズやRadeonシリーズを使ってきた人であれば,数字から世代とどのクラスかは分かるのでなんとなく分かるだろうが,「GeForce GT 240Mとどっちが上?」となると分かる人は少ないだろう(GT 240Mが上)。
かつてゲーマー向けPCで多用されたベストセラーGPUは「GeForce 6600GT」で,無印の6600と比べると性能はかなり高いものだった。じゃあ無印6600って「現在のGPUでいうとどれくらいの性能なのか」というのが問題になるが,そもそも6600GTや6600GSに比べてかなりレアだった6600無印が本当に基準になっているのか,実は6600GTのことではないかという疑念も頭をよぎる。
さらには,そういう古いGPUで動くかよりも,現行のIntelのCPU内蔵グラフィックスで動くのかどうかが重要だ。
比較できそうなデータを探してきて比べるしかないのだが,比べ方も問題になる。EOSは,Unreal Engine 2.5ベースで作られており,さらにMMORPGなので描画負荷は控えめだ。よって,あまり高度な機能が使われていないテストの結果が望ましい。3Dベンチマークテストの定番3DMarkも,3DMark05あたりになると(飛行船が飛ぶ奴),かなりヘビーにシェーダを使っているので,その前の世代あたりが適当だろうか。
ということで,3DMark03の結果を検索して調べてみたところ,GeForce 6600の結果というのはなかなか見つからない。6600GTベースで探してみると,あくまでもだいたいだが,Intel HD Grafphics 3000と同じくらい,4000であればやや上回る程度の性能らしいということが分かった。
実際に手持ちのノートPC(VAIO Duo 13:Intel HD Graphics 4400)にEOSをインストールして試してみたところ,ちょっと重いものの,動かなくはない。グラフィックス設定を落としてみると,そこそこ実用になる速度で動いてくれることも分かった。
最終的に,画質よりは動きが重要ということで,グラフィックス設定を最低にしつつ,視距離のみ最高にしてみた。この状態で,プレイヤーがあまりいないところでは50fps以上が出ており,とくに問題なくプレイ可能だった。ACアダプターを外すと30fps程度になる。省電力モードは「バランス」だ。
イグネア倉庫前で20fpsを切りそうな感じだったので,視距離を「最高」から「高い」に変えてみたが,1,2割軽くなったかなという程度の変化だった。ACアダプターを外すと,10fps以下に落ち込むが動けないほどではない。
●おまけ:ノートPCで出先プレイは可能か?
ついでながら,ノートPCで動くなら「出先でプレイできるか?」についても検証してみた。前述の設定のまま(ディスプレイなどのスタンバイモード移行はOff,ディスプレイ輝度60%程度),イグネア倉庫前で放置。100%の状態から1時間放置後のバッテリー残量は71%で,そのままだと2時間18分動作可能という表示が出ていた。2時間経過時点では,残り36%で1時間15分の動作が可能という表示だ。
バッテリー駆動時間の長さで知られるVAIO Duo 13(公称18時間)ではあるが,3時間くらいは大丈夫そうな感じだった。他機種でも大容量バッテリーを使用すれば,これに近い値は出るのではないだろうか。
単体GPUを搭載したノートPCの場合,性能は遥かに向上するものの,バッテリー駆動時間が極端に短くなりがちなのでケースバイケースではあるものの,出先でノートPCによるプレイも可能かといわれれば,まあ可能だということだ。
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