世界で人気を博すサッカービデオゲーム『FIFA』シリーズの最新作『FIFA 21 RMT』が10月9日に登場する。本シリーズは世界中で親しまれ、e-Sports大会はFIFAの公式大会として年々拡大するなど、おなじみの作品となった。
期待の最新作の主なアップデートを、編集部でプレイした感想と、『FIFA 21 RMT』の担当者であるサム・リベラ、イオネル・スタネスク、ジェフ・アントウィの3名のインタビューとともにお伝えする。
前作での改善からさらに1vs1局面でのプレイ幅が進化。『アジャイルドリブルシステム』を導入し、攻撃側の仕掛けがよりスムーズかつ反応も向上した。フットワークが軽快になったほか、「ブリッジドリブル」「ボールロールフェイクターン」といった新たなスキルムーブが実装。デモプレイで実際に操作したが、ドリブルを得意とする選手の使い勝手はかなりよくなっており、逆に守備時は丁寧な対応を求められることになりそうだ。
またAIセクションも進化しており、ポジショニングへの意識が強化。例えばFWはオフサイドラインを越えてしまった場合にすぐオンサイドに戻ったり、プレイメーカーがうまくスペースを見つけ出すような動きを取っていく。
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もちろん、守備側もアップデートされており、逆にパスコースやスペースをうまく埋める動きをして、決定機阻止へのアクションをとる。また、個人の動きでもタックルの角度やシュートブロックの挙動は、より状況に即した形で表現される。
新作では個人のスキル、1vs1局面での“デュエル”対応がキーポイントとなりそうだ。ほかにもパスを受けた時の姿勢に応じて、これまでは蹴り脚を振り上げてからパスを出すモーションがあったが、脚を振らずにパスを選択することができるようになるなど、より選手の体勢を大切にしていきたい。
ゲームプレイを担当しているサム・リベラは、「よりタクティカルにプレイしないといけないね。(前作から)多くの大切なフィードバックをもらったし、ファンが何を変えてほしいか、常にコミュニケーションをとっているんだ。そのフィードバックをベースに『FIFA 21』の開発に取り組んできたよ」と、自信を見せてくれている。
選手や監督のキャリアを追体験できるキャリアモード。サッカーゲームらしく試合以外に移籍やトレーニング、成長などの要素が加わる、やり込み度高のモードだ。
進化のポイントとして、例えば移籍。よりリアルな移籍の形として「買取オプション付きレンタル移籍」が可能となる。○○試合出場の場合は○○円の移籍金が発生して必ず完全移籍となりますよ、というものだ。「ちょっとクラブの資金がないから、レンタルを打診しよう」などの経営側の思考も経験できる。初期設定ではモード内の移籍条件などもリアルを反映、予算増なども調整可能だ。
日頃のトレーニングではスケジュールをしっかり計画しよう。練習を多くするのか、オフを作って休ませるのか。コンディションとモチベーションコントロールも大切となる。選手のパフォーマンスを把握して、的確な起用をして、試合で能力を最大限発揮させよう。
選手個人の成長では細部まで管理可能となった。例えばコンバート。近年の選手たちは試合中に複数のポジショニングを取りながら、タスクを担って試合に臨む。ゲーム内でもサイドバックをウィングに、ボランチをセンターバックに、といったウィークポイントの改善を図れる。
試合時は『インタラクティブマッチシミュレート』が新登場となる。例えば試合途中での交代で流れを変える、セットプレーを操作して結果を変えるといったことが可能となり、データを分析して選手パフォーマンスを見極めて進められる。また、AIも進化しており、パスやドリブル、タックルなどの選択するとき、AIは様々な情報を吸収してプレー選択をしていく。よりレベルの高い相手相手にどんどんチャレンジをしていこう。
特に『インタラクティブマッチシミュレート』はジェフ・アントウィも「時間をかけてフルマッチを戦うか、結果を見るだけで、これまではその中間がなかったんだ。『FIFA 21』では好きなだけ試合ができるし、途中から観戦モードにしたり、必要なタイミングだけ自分で操作することも可能になったんだ。選択の幅が広がったし、キャリアモードはユーザーもいろいろな要素を求めているから、いいアップデートと思うよ。『FIFA 21 RMT』のすべての機能に高い基準を設定しているけど、その中でもインタラクティブマッチシミュレートは間違いなく、特別なものさ」と話しているので、かなり期待ができそうだ。
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『FIFA』シリーズは毎作、その時に旬な選手を起用することでも知られる。リオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドが長年務めたほか、前作ではエデン・アザール、フィルジル・ファン・ダイクが起用された。注目の今作は、キリアン・エンバペが飾る。本人も「夢の一つが叶った。これまでのカバーを務めた素晴らしい選手たちの仲間に入れたよ!」と喜びいっぱいだ。
さらにエンバペ以外のアンバサダーとして、トレント・アレクサンダー・アーノルド、アーリング・ハーランド、ジョアン・フェリックスと、若きスターたちが起用された。エンバペ含め、4名が“ステイホーム”でゲームを楽しんでいる姿が何とも微笑ましい。
エンバペの起用は担当者3名も興奮を隠しきれない様子で、「とても興奮しているよ」「ずっとファンで、家の壁にもユニフォームを飾っているんだ」「Voltaモードではパリの街を象徴する選手として、皆さんに使ってもらいたい」と口をそろえて話している。
「FIFA Ultimate Team」モードですっかりおなじみとなった、レジェンド選手たちの登場だが、まだ現役でプレーしている姿が瞼に焼き付いている選手たちが追加となった。
ペトル・チェフ、アシュリー・コール、サミュエル・エトー、フィリップ・ラーム、バスティアン・シュバインシュタイガー、フェルナンド・トーレス、ネマニャ・ヴィディッチ、シャビが起用可能に。これまでのシリーズでは、現役として登場した選手たちをピッチに呼び戻せるほか、エリック・カントナ、フェレンツ・プスカシュ、ダボル・シュケルという3名のまさに“アイコニック”な選手も登場する。
これまでで登場してきたジネディーヌ・ジダン、マルコ・ファン・バステン、ロナウド、ロナウジーニョ、ラウール・ゴンサレス、アンドレア・ピルロ、ディエゴ・マラドーナ、中田英寿、ペレ、カカー、ティエリ・アンリ、ヨハン・クライフ、ロベルト・バッジョなども引き続き、使用可能となっている。
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『FIFA』の名を冠するだけあり、ライセンス保有数もゲームの魅力の一つ。前作から追加されたチャンピオンズリーグやヨーロッパリーグ、コパ・リベルタドーレスは引き続き、収録されるほか、プレミアリーグ、ラ・リーガ、ブンデスリーガ、明治安田生命J1リーグ、リーグ1、エールディヴィジ、プリメイラリーガなどが実装。ミラン、インテルとの個別ライセンス契約も先日発表されている。
ゲームの進化とともに、グラフィックの進化は欠かせない要素となっている。新作では試合前のコレオグラフィの表現や、観客の動きなどバリエーションが増加。また、サッカーファンとして見逃せないポイントとして、試合前の選手・フォーメーション紹介が、実際のテレビ放送さながらの形で表現されているのは、細かいながらも嬉しいところだ。
ゲーム全体を把握するイオネル・スタネスクからも、「毎年、僕らはゲーム内の全てのスタジアムを可能な限り正確に再現して、人の描写も改善している。今年もそれは同じだよ。正確性は我々にとって重要なんだ。スタジアムだけではなく、実際の試合の雰囲気や放送システムを落とし込むことは、ライブ感を引き寄せるものだから、今年はスタジアムと一緒に試合の雰囲気も含めて、すべての面で改善できたことをすごく嬉しく思っているよ」と太鼓判が押されている。
10月9日に発売が予定されている『FIFA 21』は、PlayStation4、Xbox One、パソコン用で展開されるが、現在はPlayStation5、Xbox Series Xの開発も進んでいる。『FIFA 21』はここにも対応しており、次々作となる『FIFA 22』発売前にPlayStation4もしくはXbox One版の『FIFA 21 RMT』を購入した場合、PlayStation5もしくはXbox Series Xバージョンに追加費用なくアップグレード可能となっている。