ドイツ時間の2015年8月5日,北米の大手パブリッシャであるElectronic Artsは,ケルンで開幕したgamescom 2015の同社ブースにて,恒例のプレスカンファレンスを開催した。この模様はネットでも配信されていたため,視聴したという人もいるだろう。本稿では,このカンファレンスの模様を簡単にまとめてみたい。
最初に登壇した同社CEOのアンドリュー・ウィルソン(Andrew Wilson)氏は,gamescomについて触れ,ゲーマーが会場でゲームをプレイし,その反応を見られる大型イベントとして非常に重要であると述べた。
ウィルソン氏の挨拶のあと,「ニード・フォー・スピード」(PC/PlayStation 4/Xbox One)の紹介が行われた。長く続いてきたシリーズのリブート作品として,サブタイトルなしで開発が進められている本作だが,このプレスカンファレンスでは5人のカリスマがゲームに登場することが明らかにされている。
本作は,スピード,スタイル,ビルド,クルー,そしてアウトローという“5つのプレイスタイル”が楽しめるのだが,それぞれに対応する形でカリスマが登場するというわけだ。スピードのカリスマはポルシェのコレクターとして知られるマグナス・ウォーカー氏,スタイルはラリードライバーのケン・ブロック氏,ビルドはポルシェのチューニングで有名な中井 啓氏,クルーはドライバーグループのリスキー・デビル,そしてはアウトローはカスタマイズした高級車で爆走する諸星伸一氏という,すべて実在の人物/グループになっている。
このカリスマ達がどのような形でゲームに絡んでくるのか,詳しくは説明されなかったが,これまではシルエットでしか紹介されていなかった人物が誰だったのか,はっきりしたことになる。シンプルな公道レースゲームだと思われていたが,未発表のフィーチャーも多くありそうなので,続報を楽しみにしたい。それにしても,北米のカーカルチャーをテーマにした作品なのに,日本人が2人もいるってなかなかすごい。
続いて,「Mirror's Edge Catalyst」(PC/PlayStation 4/Xbox One)が登場した。清潔で未来的だが,巨大企業エリジウムによって自由を奪われ飼い慣らされた人々が暮らす「ガラスの街」の裏側で,闇の仕事を請け負う主人公フェイス。彼女は情報の運び屋や企業スパイとして,その体一つでビルの谷間を駆け抜ける。
カンファレンスでは,こうしたゲームの背景が説明され,最新のトレイラーが公開されている。その内容については掲載したムービーを見てもらいたいが,エリジウム内部で何やら怪しげな研究が行われていることと,同社に対抗する第三の勢力が存在するらしいことなどが分かるはずだ。
もちろん,フェイスが飛び,パイプをつたい,通気口をくぐり抜けていく流れるようなアクションはお見事。後半のバトルシーンも迫力があり,映像が終わると大きな拍手が巻き起こった。
その後,「Star Wars: The Old Republic」の拡張パック「Knights of the Fallen Empire」,「The Sims 4」の最新拡張パック「Get Together」,そして「Plants vs. Zombies Garden Warfare 2」(PC/PlayStation 4/Xbox One)の紹介が続いた。
「Get Together」はそのタイトルどおり,仲間が集まってさまざまな遊びに興じるというもので,若者中心の拡張パックになるとのこと。ダンスシーンがちょっと楽しみだ。
また「Plants vs. Zombies Garden Warfare 2」では,植物側の新キャラクターである「ローズ」と「コーン」,そして「オレンジ」が紹介された。さらに,北米での予約特典としてゾンビ用の装甲スーツ「Z7 MECH」が用意されることも明らかにされている。これは,BioWareの「Mass Effect」シリーズとコラボしたもので,「Grass Effect」とも呼ばれるようだ。
次に登場したのは,毛糸で作られた子猫「ヤーニー」が外の世界へ飛び出して冒険を繰り広げる「Unravel」(PC/PlayStation 4/Xbox One)。スウェーデンの小規模デベロッパであるColdwood Interactiveが開発中の本作は,横スクロール型のパズルゲームだ。掲載したムービーでも分かるように,プレイヤーは毛糸をうまく使って障害物を乗り越えていかなければならない。
E3 2015のプレス向けカンファレンスと同様,EA Studiosのエグゼクティブバイスプロデューサーであるパトリック・ソダールンド(Patric SÖderlund)氏が登壇し,ゲーム開発に対する情熱がいかに重要かを語ったあとで,本作のプロデューサーを務めるColdwoodのマーティン・サーリン(Martin Sahlin)氏が招き入れられている。EAにとって「Unravel」は,かなり重要なプロジェクトとして位置付けられているのだろう。
ゲームの詳細は,ぜひムービーをチェックしてほしいところだが,ラストシーンは胸がちょっとキュンとする。FIFA16 RMT
日本でも注目度の高い「Star Wars バトルフロント」(PC/PlayStation 4/Xbox One)は,新たなモードとして「ファイター・スコードロン」が発表された。これはスター・ウォーズに登場するXウイングやAウイング,TIEファイターなど,おなじみの戦闘機でドッグファイトを繰り広げるというモードだ。
今回公開されたムービーでは,どうやって登場させるのかは分からないもののミレニアム・ファルコンの姿が確認でき,終盤にちらっと見えるのはボバ・フェットのスレーヴIではないかと思うのだがいかがだろうか。憧れのあの船に乗って戦えるのであれば,ファンにとってたまらないものがあるだろう。
最後は,ヨーロッパで人気の高い「FIFA」シリーズの最新作「FIFA 16」(PC/PlayStation 4/PlayStation 3/Xbox One/Xbox 360)だ。カンファレンスでは,新フィーチャーの「FUT ドラフト」が紹介されていた。これは,ポジションごとに提示される5人の候補選手のなかから好きな選手を獲得して,任意のフォーメーションで試合に臨むというモード。つまり,従来の「FIFA Ultimate Team」とは異なる夢のチームを結成できるというわけだ。
ヨーロッパでは,そろそろ本格的に新シーズンの幕が開くということで,サッカーシーンがどういうものになりそうなのかといったところを「FIFA 16」で再現したムービーが公開され,カンファレンスは終了した。
FIFA16 安心